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No.05 小さな島の、小さなカフェ


 伊良部島の佐和田の浜につながる道沿いに、真っ白な壁のカフェがある。

 PIZZA & CAFE BOTTA(ボッタ)。50歳代夫婦が経営する小さなカフェだ。

 海側を向いたオープンテラス席中心の店内は開放的な造り。目の前の佐和田の浜の潮の満ち引きを見ながら、飛行訓練場として利用されている下地島空港の航空機離発着を楽しむことができる。夏場は佐和田の浜から水着で訪れる観光客も。キッチンの本格石窯で焼きあげるトマトソースとチーズのシンプルな「マルゲリータ」や、地元の野菜を使った一枚などが人気を博す。

 オーナーの奥田雅美さん、妻の信江さん2人がBOTTAをオープンして2年半。地元の観光ガイド紙以外にはほとんど広告も出さずとも、口コミやグルメサイトへの投稿、Facebookなどソーシャルネットワークサービス(SNS)への投稿などで噂が広がり、観光客や取材が増えてきた。

 雅美さんが東京の製薬会社を早期退職し、沖縄にやってきたのが5年ほど前。数年の充電期間を経て、伊良部島にBOTTAを開いた。雅美さん、信江さんともに飲食業の経験はなく、「最初はずっと手探りで」(信江さん)店を開け続けた。橋の開通を見込んで伊良部島を選んだが台風による工期の遅れで開通が約10カ月遅れたことは「誤算だった」が、ファンは少しずつ増えた。

 「離島の離島」と呼ばれた伊良部島の暮らしは東京のころと比べ一変。通信販売は「そもそも配送を断られる」ことが度々あるという。届いても送料はかさむ。ガソリン、食料品、何もかもに本土や沖縄本島からの輸送費が足されるため物価も高い。ピザの材料で、どうしても取り寄せに頼るしか無い食材もあるため、仕入れルートの確保も手探り。何にでも手が届く東京とは大きく違ったが、ゼロからスタートした店づくりは、徐々に軌道に乗ってきた。

 2月1日、開通翌日。慌ただしい1日が幕を開けた。午前11時30分の開店から20分で満席。「早速、新聞が早朝に届くようになったと思ったら」(雅美さん)、お客さんも開店時間に押し寄せた。最盛期の夏場を超える来客ぶりに、夫婦2人でバタバタと対応した。1日25枚と決めているピザは、午後2時ごろに完売。満席で20人以上の来客を断るしかなかったほどの盛況ぶりだった。

 オープン当初は日没まで店を開けていたが、宮古島から訪れた観光客の多くは、日が沈むより早くフェリーに乗って帰っていった。「疲れるだけだね」と2人で話し、16時には店を閉めるようになった。橋が架かった今年、時間の制約から開放される。「私たちの体力が続くかが問題ですが・・・」(信江さん)と前置きはつくが、営業時間の延長や臨時アルバイトの確保を検討している。

 午後4時、営業を終えた店内では雅美さんが翌日用のピザ生地をこねていた。「明日も忙しいだろうね」。とても楽しそうに手を動かしていた。

伊良部大橋ストーリー

No.01 夢の大橋

No.02 開通の日 2015年1月31日 伊良部大橋開通式レポート

No.03 架橋運動の礎 伊良部丸が託した夢

No.04 友達増えて、親戚も増えた 神奈川県から移住の清水陽介さん

No.05 小さな島の、小さなカフェ

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